CFTC、BTC無期限先物を初承認

2026-07-01
ビットコイン

 米商品先物取引委員会(CFTC)は5月29日、予測市場大手カルシ傘下の指定契約市場(DCM)KalshiEXが申請したビットコイン(BTC)無期限先物「BTCPERP」の上場を承認した。規制下による米国取引所への無期限先物上場は初めて。また同日、CFTC市場参加者部門は、暗号資産交換業コイベース傘下の登録先物取引業者(FCM)に対し、関連会社の海外取引所デリビットに上場する一定の無期限契約を「外国先物」として扱い得るとのスタッフ解釈を示すとともに、顧客の暗号資産やステーブルコインを証拠金として差し入れることに条件付きの不執行方針を示した。


 無期限先物は限月を持たず、資金調達率と呼ばれる定期的な金銭授受により現物価格との乖離を調整する。2025年の取引量は、CoinGeckoの集計で中央集権型取引所の上位10社だけで86.2兆ドルと過去最高を更新し、CryptoQuantの推計でも61.7兆ドルに達した。世界の暗号資産デリバティブの中核商品でありながら、米国法上は先物かスワップか分類が曖昧で、取引の大半は規制外の海外市場に流れていた。
 今回の措置は法的性質の異なる二本立てとなった。カルシ側は委員会本体による正式な上場承認命令で、ビットコイン現物市場の厚みと流動性、契約設計、リスク管理能力などDCMの中核原則への適合が認められ、商品は米国内のDCM規制とCFTC規則上の監督に服する。
 一方コインベース側はスタッフレベルの解釈と不執行確約にとどまり、商品自体は海外上場のまま、規則30条の外国先物仲介の枠組みで米国顧客のアクセスを開く構図だ。CFTCは併せて政策声明を公表し、現物市場の厚みが資金調達率メカニズムの操作を困難にする点を承認の根拠に挙げた。農産物や貴金属、株式など他資産を参照する無期限契約には今回の判断は及ばず、個別審査の対象となる。
 カルシは選挙結果や経済指標などを対象とするイベント契約で急成長した予測市場の運営会社で、DCM免許を足場に本格的なデリバティブ取引所への転換を進めている。米国で提供される無期限先物は最大50倍程度の高いレバレッジを伴うとされ、規制内に取り込む一方で、証拠金管理や投資者保護の運用が今後問われることになる。
 背景には規制方針の転換がある。CFTCは25年4月に無期限型デリバティブと24時間清算に関する意見募集を開始し、同9月の米国証券取引委員会(SEC)との共同声明では米国企業の海外流出阻止と無期限契約の解禁を掲げた。26年3月には両機関が共同で、ビットコインやイーサなどを含む「デジタルコモディティ」の類型を示した。こうした既存の先物法制の解釈と運用で世界最大級の流動性を呼び込む米国の手法は、取引所間の国際競争に新たな局面をもたらすだろう。

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