米国・環境保護庁、エタノール混入増のガソリンの通年販売許可を検討―実現すればとうもろこし価格に影響の可能性

2023-04-24

 米国の下院農業委員会が19日に行った公聴会で、マイケル・レーガン環境保護庁(EPA)長官が2024年夏までにエタノールを15%混入させた車の燃料のガソリン(E15)の通年販売を中西部の8州で許可する可能性があると言及したとロイター通信が伝えており、実現すれば米国の飼料用とうもろこし価格および同先物価格、ひいては日本の飼料価格およびとうもろこしの先物価格に影響を及ぼす可能性がある。
 米国では、とうもろこし生産量の約3分の1がエタノール製造用に使われている。現在、E10(エタノールを10%混入させたガソリン燃料)の通年販売は許可されているが、E15の通年販売についてはまだ許可されていない。エタノール業界は実現を望んで、EPAに働きかけを行っているが、ガソリン業界との競争やE15の使用はE10より、排気する煙を増やすのではないか、エンジンの損傷を大きくするのではないかといった論争があり、昨年は夏期の販売のみ許可された。一方、車の燃料としてエタノールの使用を増やし、ガソリンの使用を減らすことは、炭酸ガスの排気量を減らすことになるので、環境問題になっている地球温暖化に寄与する。

【詳細:英語サイト】Successful Farming
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