商先市場の未来年表は?

2022-10-02

野村総研グループが、NRI未来年表という分析レポートを公表している。これは 2100 年までの極めて長期に及び未来予想で、幅広い団体から公表されている予想項目を列挙したものだが、読み込んでみるとかなり興味深い。
例えば日本の人口をとってみても、2053 年に人口が1億人を割り込み9,924万人となる(出典:国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))、2060年には人口が9,284万人に減少(同)、2100年に人口が5,972万人に(同)など、危機的な推移が現時点で懸念されていることがわかる。
これに対し世界の人口は、2057年に100億人到達(国連)、2067年に105億人(同)、2100年には 1,109億人となるが、65歳以上の人口は25億人に膨らむ(同)などとこちらも深刻な状況だ。
身近なところでは、2029年に日本の生産年齢人口(15~64歳)が7,000万人を割り込む(IPSS)、2030年に築40年超のマンションが231万戸(2020年は103万戸)へ倍増する(国交省)といった、近未来の切実な環境変化も予想されている。
こうした将来について、商品先物業界も市場復興への年表を作成し、業界全体で共有してみるのも有用かもしれない。具体的な目標があった方が、今取るべき行動の指針にもなる。なお、年表では2045年までに人工知能(AI)が人間の能力を追い抜くと予想されている。人間はカネだけ出して相場はすべてAI任せという時代も、そう遠い未来ではなさそうだ。

(Futures Tribune 2022年9月27日発行・第3170号掲載)
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