幻の救世主・商品ファンド物語【8】
商品ファンドの終焉
2023-09-21商品ファンド設定・運用実績(金額単位:億円)拡大して見る(PDF)
商品ファンドは1990年代半ばから後半にかけて急成長した(表参照)。大手商社に加え大手銀行も販売を扱い、運用額も1997年度に3,000億円を突破した。
そんな商品ファンドが凋落する大きな要因となったのが97年12月、銀行に投信販売が認められたことである。「投信委託会社へ銀行が店舗を貸す」という、法改正が不要な店舗貸しという形で銀行の投信販売は始まった。
98年12月には金融システム改革法が施行され、証券取引法上の登録金融機関において証券投資信託受益証券等の販売が可能になり、銀行窓口での投信販売が始まった。もともと投信販売を熱望していた大手銀行は商品ファンド販売から投信販売に軸足を移し、02年末には投信販売の銀行シェアが28%まで上昇した。その後大手商社も新規設定から手を引き運用額が急減していく。加えて2000年代半ば以降は商品先物業者の廃業が続き、商品ファンドはその役目を終えた。(完)
参考資料:表は豊商事(現・豊トラスティ証券)の60年史から引用
(Futures Tribune 2023年9月19日発行・第3240号掲載)
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