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阪神大震災から30年、混乱の記憶
2025-01-27
阪神大震災の発生から17日で30年になった。関西農産商品取引所、大阪繊維取引所、神戸ゴム取引所、神戸生絲取引所の4取引所は震災の影響で発生日からしばらくの間立会が中止された。
当時本紙が取材したところ、震災当日関西地区の取引員は社員の半数ほどしか出社できていなかったと紙面で報じているが、逆にあの惨状の中で半分の社員が出社できていたことが驚きである。この時は金融業界全体に危機管理の意識が問われ、もし東京で同規模の震災が発生したらというシミュレーションも数々成されただろう。
1995年といえばマイクロソフトの「WINDOWS 95」が発売(日本版は11月23日)され大騒ぎとなったインターネット元年のような年だが、阪神大震災の発生時は電話しか安否確認の手段がなかった。その混乱ぶりは想像に難くない。
ちなみに阪神大震災の数年前、アメリカでもシカゴが水害に見舞われ、CBOTが立会不能になったことがある。CMEは対応が早く被害を最小限に抑えられたようだが、CBOTは取引所の建物が古く復活が遅れたという。
震災から30年、その間には東日本大震災をはじめ日本は数々の災害に襲われた。実際身近で災害が起これば不足の事態だらけなのだろうが、我々はリスク管理が売り物である以上、こういう時こそ真価を発揮したいものである。
(Futures Tribune 2025年1月14日発行・第3335号掲載)
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