電力先物上場5年、今後の伸び代に期待

2024-09-18

 東京商品取引所が電力先物を上場してから、17日で5年が経過した。電力先物は当初から東日本と西日本でエリアを区切り、それぞれ需要の多い時間帯を対象とする「日中ロード電力」と、1日分を丸ごと取引する「ベースロード電力」の計4種類を取引対象とした。今では事業者のニーズに合わせそれぞれ週間単位を加え計8種の商品設計で取引されている。
 電力先物は2014年、電気事業法等の一部を改正する法律による商品先物取引法の改正により、無体物の上場を可能としたことで本格的に検討が始まった。翌2015年3月から経産省主導で電力先物市場協議会が開催され、5回会合を行った後7月に報告書を取りまとめている。
 取引所サイドも2016年6月から東商取が電力先物の模擬売買を開始し、2017年12月から再度経産省主導で電力先物市場の在り方に冠する検討会が4回開催された。同会議も2018年4月に報告書を取りまとめ、2019年3月に試験上場を認可申請し、8月に認可取得の上、翌9月17日に取引開始に至ったという経緯がある。
 今年8月にはメガバンクの三菱UFJ銀行が電力先物市場の受託取引参加者資格を承認され、受託から清算まで一手に引き受けることで今後は個人投資家に裾野が広がりそうだ。電気料金は誰もが関心を寄せるだけに、潜在的な伸び代は非常に大きいだろう。

(Futures Tribune 2024年9月17日発行・第3312号掲載)
これでいいのか!Futures Tribune's viewに戻る