JPXが中経アップデート、デリバ政策に注力を
2024-05-09日本取引所グループは30日、2024年(令和6)3月期(=2023年度:2023年4月1日~2024年3月31日)における決算概要を発表した。それによると決算(国際会計基準=IFAS)は、営業収益が1,528億7,100万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は874億4,400万円(同28.1%増)、税引前利益は874億400万円(同28.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は608億2,200万円(同31.2%増)となった。営業収益の金額ベースにおいては取引関連収益で84億9,500万円増の615億8,500万円となったが、デリバティブでは金融が108億3,800万円、商品先物は14億7,600万円だった。
日本取引所グループ(JPX)は決算発表とともに中期経営計画(中経)のアップデートを公表した。
中経は2022年度から3カ年計画で作られたもので、今年度は最終年となる。そのため今期は重点政策への注力を基本方針としつつ、次期計画策定への移行期間と位置付けている。
中経では土台として3つのFocusを掲げており、①企業のイノベーション・成長と資産形成の循環促進、②マーケット・トランスフォーメーション(MX)の実現、③社会と経済をつなぐサステナビリティの推進―がそれに該当する。この中で②の施策「デリバティブ市場の活性化」に対し、指数先物・オプションに係る小口商品の取引拡大をアップデート項目とした。さらに③についてはグリーン戦略への取組みと合わせ、エネルギー関連市場の活性化および排出量市場創設の推進(カーボン・クレジット市場創設)―を重点施策に据えた。
2023年度は日本株へ投機資金が集中しJPXの現物市場は前年度比で1.25倍の増収(391億円)に膨らんだ。一方、デリバティブは金融関連収益が108億円で、日経225先物が43億円と約4割を占める。商品先物は全体で14億円、取引シェアはわずか2.9%である。2023年の世界デリバティブ取引所において、出来高ランキングで大阪取は29位、東商取は75位だった。まだまだテコ入れの余地は大きい。
日本取引所グループ中期経営計画2024 2024年度アップデート
(Futures Tribune 2024年4月30日発行・第3285号掲載)
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