コメ先物、始めるなら10月限から

2024-04-26

 堂島取引所が2月21日に本上場申請したコメ先物だが、現在指数の算定などに関する調整が農水省との間で行われているようだ。ここでいう指数は全国のコメ価格を平均化した平均価格のことで、要は日経平均のように価格そのものを指数として表せば特段問題は生じないはずである。
 だが、当然すべての銘柄米が同じ値動きをするわけではないため、このあたりをどう生産者に説明し理解を得るかが問題だろう。前回のコメ先物を取引した生産者であれば理解は早いだろうが、現実的には先物の概念もわかっていない生産者が大半である。農業の業界記者は「難しい話をしたら農家は受け付けない」と語るが、もし本上場申請が認可された場合でも農家への先物啓蒙は継続しなければならず、またコメ市場についても当事者や有識者を交えた委員会の設置が必要となるだろう。
 筆者がコメの生産農家や学識経験者に話を聞いた限りでは、「もしコメ先物を始めるのであれば絶対に10月限からスタートさせるべきだ」との声がすべてである。聞いた人全員が口を揃えて回答している。特に今年は米価が上がるとの見通しで、「当初から一気に盛り上がる可能性がある」と期待を寄せる声も聞かれた。そうなれば、必ずJPXもコメ先物を視野に入れる。というより、すでに調査を始めている可能性は高い。

(Futures Tribune 2024年4月16日発行・第3282号掲載)
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