補助金制度と市場経済

2023-09-28
ガソリンイメージ写真

※イメージ写真

 岸田内閣の経済対策5本柱が示された。①足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策、②地方・中堅中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長の実現、③成長力の強化・高度化に資する国内投資促進、④人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進、⑤国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心の確保―である。
 物価高の象徴的な存在となっているガソリンについては、すでに補助金制度を年末まで延長することが決まっているが、年明け以降の延長や拡充も検討する模様だ。補助金制度の導入によりヘッジニーズがなくなったことで、東商取のガソリンおよび灯油先物は現状まったく出来高がない状態だが、当面この状況は継続しそうだ。
 ガソリンの補助金制度は、レギュラーガソリンの場合小売価格が1㍑あたり185円を超過する部分について全額補助するというもので、加えて168円~185円までの部分について、9月は30%を補助し10月~12月は60%を補助する。これにより10月中には175円前後の水準に抑えられる見通しだとしている。
 だが課題も当然浮き彫りになってくる。まずは財政負担の増加で、すでに3兆円以上の税金がガソリンに回されている。また補助金により市場経済が歪められているとの指摘も少なくない。このあたりの調整は悩みどころだろう。

(Futures Tribune 2023年9月26日発行・第3242号掲載)
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