オプションに潜む爆発の芽

2023-08-04

 大阪取の金オプションがリニューアルしてから、およそ7年が経過するが、プット・コールともに取引ゼロが常態化している。
 金オプションはもともと2004年5月、東商取の前身である東京工業品取引所が上場したが開始後間もなく流動性が低迷し、07年8月以降は出来高が成立せず休眠状態が続いていた。
 7年前のリニューアルでは商品設計を従来のアメリカンタイプからヨーロピアンタイプに変更することで、買い手にとって完全な損失限定取引となり同時に単位も100グラムへ小口化した。もともと日本では、オプション取引は上級者向けの難しい取引という認識が根付いており、進んで手を出そうとする投資家は少ない。
 国内初の商品先物オプションは1991年6月に東京穀物商品取引所が上場した米国産大豆先物オプションだったが、買建玉の評価益が認められておらず、取引リスクに関係なく証拠金の増加が余儀なくされるという問題点があった。当時米国ではオプション取引が隆盛だったが、機関投資家による大量の売買がありヘッジャーや個人投資家の玉を吸収してくれたからだが、日本では大口参加者がおらず取引員がこの役割を担うしかなかった。
 標準、ミニ、限日、現物、と総合的な金市場が揃う中で、オプションの不発はもったいない。

(Futures Tribune 2023年8月1日発行・第3231号掲載)
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