JPXグループもコメ先物上場検討を

2023-02-13

 東京工業品取引所が東京穀物商品取引所から農産物4商品(トウモロコシ、一般大豆、小豆、粗糖)の移管を受け、東京商品取引所に商号変更してから、12日で10年を迎えた。当時の江崎格社長は「今後は国内商品先物の総本山として、アジア圏で確固たる地位の確立を目指す」と述べていたが、残念ながら商品先物の存在感は薄れる一方だと言わざるを得ない。
 特に農産物市場の凋落は際立っている。移管直前の2012年年間出来高において、トウモロコシは79万枚、一般大豆は63万枚、小豆は8万枚、粗糖は2万枚(いずれも東穀取単独)と、少なくとも市場と言えるだけの取引ボリュームはあった。
 これが10年後の2022年になると、年間出来高はトウモロコシが5万枚、一般大豆と小豆は取引ゼロ、粗糖は取引休止後に上場廃止となり市場が消えた。この間、国内では総合取引所が稼働し、2020年7月から農産物市場は東商取から大阪取引所へと移管されたが、商品先物市場は総合取引所のメリットをまったく享受できていない。
 堂島取引所も2021年8月のコメ先物本上場申請不認可後、出来高が急減し昨年4月から取引ゼロの状態が続いている。現在、トウモロコシしか出来高がない農産物市場だが、堂島はコメ先物復活に向け動き出している。JPXもコメ先物を検討する価値は十分にある。

(Futures Tribune 2023年2月7日発行・第3195号掲載)
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