商品先物苦情件数、直近1年ゼロに

2023-01-27

 25年前の1998年、テレビ朝日系列で毎週日曜日の10時から生放送されていた「サンデープロジェクト」(1989~2010)で、商品先物取引にスポットが当たった。同番組は報道・政治討論番組として、最盛期は同時間帯に放送されているNHKの「日曜討論」を上回る視聴率を記録した。理由は各党の党首や幹事長などを進行役の田原総一朗氏が挑発し、要人の洩らした本音が広く報道され、政局への影響が大きかったためだ。
 そんな番組で商品先物取引がどう扱われたか、業界関係者なら容易に想像がつく。案の定、新聞のテレビ欄には「カメラは見た・客殺し勧誘の甘いワナ・悪徳商品先物取引の実態」と散々な文言が並んだ。放送は1998年3月1日だったが、収録は前年11月頃には終わっていたらしく、映像は3か月ほど寝かされたようだ。取材は主務省、取引所、日商協にも行われたが放送ではカットされた。結局、勧誘を隠し撮りしたシーンや、多額の損を出した個人投資家へのインタビューが放送時間枠30分間の大勢を占めたようだ。
 確かに当時は一部業者による強引な勧誘が問題視されており、1999年度の苦情件数は503件にも上っている。だが2005年の改正法施行で営業規制が大幅に強化され、年々苦情件数は減少し2021年度にはとうとうゼロを達成した。つまり1年間苦情がなかったわけである。商品先物が1日も早く日本人が抱く負の感情を払拭し、主要な投資先となることを願いたい。

(Futures Tribune 2023年01月24日発行・第3192号掲載)
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