国内初のCO2排出量取引実験市場が開設

東京証券取引所は9月22日、カーボン・クレジット市場を開いた。経済産業省の委託による実証実験市場で、二酸化炭素(CO2)排出量を取引する市場としては国内初となる。市場では国が認証する「J-クレジット」を売買するが、初日は4銘柄で合計627t分のCO2排出量取引が成立した。
開設に当たり参加申込みを募ったところ145の企業や自治体が応募した。取引はインターネット上の専用サイトで行い、注文は一本値の板寄せ方式で受付は午前と午後の2回に分かれ、11時30分と15時に値決めされる。清算は東証が間に入り、三菱UFJ銀行日本橋中央支店で決済する。なお実証期間は2023年1月までとする。
同市場を主導した経産省は、脱炭素に積極的取組みを見せる企業で構成する「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」構想を進めている。秋以降は同市場でGXの対象企業がそれぞれ掲げた排出削減目標に対し、目標超過分を売買するシミュレーション取引も実施する予定となっている。
なお同日は取引開始に先駆けセレモニーが行われ、経産省の長峯誠・経産大臣政務官の他に金融庁から鈴木英敬・内閣府大臣政務官、環境省から上田康治・総合環境政策統括官が出席した。主要なコメントは以下の通り。
◇清田瞭・日本取引所グループ(JPX)CEO
「新たなクレジット市場の創設に向けた第一歩になる。長年の知見を活かし取引所として貢献したい」
◇長峯誠・経産大臣政務官
「排出量取引におけるアジア拠点を目指していきたい」

(Futures Tribune 2022年9月27日発行・第3170号掲載)
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