JPX中間決算、現物株好調で営業利益7.2%増の477億円に

2024-11-13
日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 山道 裕己氏

日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 山道 裕己氏

 日本取引所グループ(JPX)は10月29日、2025年(令和7)3月期における中間決算概要を発表した。それによると4月1日から9月30日までの累計で連結における営業収益が818億1,000万円(前年同期比11.5%増)、営業利益が477億1,800万円(同7.2%増)、税引前利益が477億2,600万円(同7.2%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益が323億800万円(同2.8%増)となった。また会見では東京証券取引所の社員に対しインサイダー取引違反の疑いで調査が行われている件に対し、9月27日付で独立社外取締役による調査検証委員会を設置し現在調査中であることが報告された。


 JPXの中間決算(4月~9月累計)は営業収益において株券等の取引が増加し取引関連収益が前年同期比39億8,000万円増、清算関連収益は同17億円増加した。取引関連収益増減の内訳は、株券等が同39億8,000万円増、金融デリバティブが同2億6,00万円減、商品デリバティブが同1億8,400万円増となった。商品デリバティブは出来高1,127万枚と前年同期比で39.2%増加した。
 この結果、分野別の取引関連収益額は現物株が220億9,900万円(前年同期比19.9%増)、金融デリバティブが52億300万円(同5.0%減)、商品デリバティブが8億8,100万円(同27.9%増)などとなった(表参照)。

JPX取引関連収益の内訳

 なお取引関連収益は、各分野の取引高などに応じた取引料、取引参加者の取引資格に応じた基本料、注文件数に応じたアクセス料、利用する売買システムの種類に応じた売買システム施設利用料などから構成されている。これにより中間決算の取引関連収益は334億7,900万円(同13.2%増)となった。
 営業収益においては前述の取引関連収益のほか、上場投資信託(ETF)の純資産額の増加などにより上場関連収益が6億8,300万円増、指数ライセンス収入や相場情報量収入などの増加に伴う情報関連収益が14億8,200万円増と、営業収益は818億1,000万円(同11.5%増)と増加した。
 一方で営業費用は、350億2,200万円と前年同期より6億7,700万円膨らんだ。これは①賃上げなどの影響で人件費が7億7,300万円増加したこと(総額112億2,900万円)、②システム開発やクラウド利用の増加によりシステム維持・運営費が7億9,100万円増加したこと(総額101億5,200万円)―などが要因となった。
 なお今年度通期の業績予想は、営業収益1,590億円(前年比4.0%増)、営業利益860億円(同1.7%減)、当期利益(親会社の所有者帰属分)595億円(同4.0%減)、1株当たり配当金55.75円と見込んでいる。

参考資料:JPX取引関連収益の内訳(PDF)
(Futures Tribune 2024年11月5日発行・第3322号掲載)
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