JPXの2023年度収益1,528億円、日本株活況で営業利益874億円
2024-05-02東京証券取引所
日本取引所グループは30日、2024年(令和6)3月期(=2023年度:2023年4月1日~2024年3月31日)における決算概要を発表した。それによると決算(国際会計基準=IFAS)は、営業収益が1,528億7,100万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は874億4,400万円(同28.1%増)、税引前利益は874億400万円(同28.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は608億2,200万円(同31.2%増)となった。営業収益の金額ベースにおいては取引関連収益で84億9,500万円増の615億8,500万円となったが、デリバティブでは金融が108億3,800万円、商品先物は14億7,600万円だった。
営業収益の40.3%を占める取引関連収益をみると、期間中の収益は615億8,500万円(前年度比16.0%増)と増加した。カテゴリー別での収益ベースの割合は、日本株市場の活況を受け現物が取引シェア76.1%の391億6,300万円(同24.7%増)、金融デリバティブが21.1%の108億3,800万円(同4.6%増)、商品デリバティブは2.9%の14億7,600万円(同8.0%増)といずれも増加した。
次いで清算関連収益が328億8,500万円(同17.4%増)、収益比率で2022年度に同水準であった情報関連収益も297億6,300万円(同7.8%増)と、いずれも増加した。
一方、期間中の営業費用は715億5,400万円(同6.0%増)となり、およそ40億円強増加した。これは賃上げなどの影響で人件費が223億9,600万円(同14.3%増)、金額ベースで28億円ほど増加したほか、情報系システムの維持・運営費が190億9,900万円(同12.8%増)と21億円の増加などによるもの。
さらに中期経営計画に係る各種調査研究費の計上などで19億5,500万円増加した。人件費は3億3,900万円減少した。
JPXは通期の連結業績予想を公表しており、営業収益は1,520億円(同0.6%減)、営業利益は685億円(同0.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は490億円(同5.7%増)、基本的1株当り当期利益を93円93銭と見込んでいる。
また同日はJPXの新任役員候補者を決議し公表した。新任取締役として、フィリップ・アヴリル氏、住田清芽(すみだ・さやか)氏、手代木功(てしろぎ・いさお)氏、林慧貞氏(※2月26日に公表済み)の4人候補者とし、6月19日開催の株主総会・通常総会に諮る。
フィリップ氏は1960年生まれで国際銀行協会のシニアエグゼクティブオフィサー、住田氏は1961年生まれでアドバンテストの社外取締役、手代木氏は1959年生まれで塩野義製薬会長兼社長CEO。
(Futures Tribune 2024年4月30日発行・第3285号掲載)
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