コメ先物は生産者にメリット、農水省勉強会取りまとめ
2024-02-02農林水産省は1月30日、第4回米の将来価格に関する実務者勉強会を開催し取りまとめを行った。実質的にコメ先物を議論する会合で、取りまとめでは「米取引において将来価格を決めることは、先を見通した経営や需要に応じた生産の実現等に寄与するなど、各事業者にとってメリットとなるものと考えられる」との総括もあり、改めてコメ先物の有用性を強調する内容となったが、これらは近々コメ先物復活に向けた布石という側面が強い。堂島取引所は取りまとめを受け2月から具体的にコメ先物市場の申請に向け動き出す意向だ。
第4回勉強会では、生産者委員から「国内需要が減少する中で消費者の奪い合いは避けるべき」と、輸出米に活路を見出す意見が出た。このほか他の委員は先物市場の開設に対し「販売先の増加は歓迎」としつつも、今後は海外を見据えた市場制度を設計し消費を拡大させることで農地を維持すべきだとの指摘もあった。
同勉強会は昨年8月、開設を控えたコメの現物市場「みらい米市場」を補完するため将来価格をどう把握するかとの観点で設置された。先物ではなくあえて「将来価格」としたのは周辺との摩擦を回避するためで、実質的には先物市場の必要性を議論する場であった。
勉強会メンバーは以下の通り。
◇飯島悠希(飯島米穀常務取締役営業部長)◇井上貴利(井上農場専務取締役)◇北本健一郎(吉兆楽代表取締役)◇佐藤拓郎(アグリーンハート代表取締役)◇佐藤正志(新潟ゆうき代表取締役)◇妹尾 次郎(千田みずほ商品部長)◇田口健一郎(たぐち農産代表取締役)◇平沢愛一郎(全国主食集荷協同組合連合会 常務理事)◇藤井暁(全国農業協同組合連合会米穀部次長)◇前田智行(日本ゼネラルフード名古屋本社営業本部/食品流通事業部長兼食品流通センター長兼アロス事業部長)◇吉田宏(わらべや日洋食品執行役員購買部長)
勉強会取りまとめ全文(農林水産省HP)
(Futures Tribune 2024年1月30日発行・第3266号掲載)
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