堂島取、コメ先物復活に向け有識者会議を設置
農産物市場問題研、12月に取りまとめ公表へ

2023-09-28

 堂島取引所はコメ先物市場の復活に向け、有識者会議を設置する。学識経験者やコメ生産者、当業者など10人ほどのメンバーでコメ先物市場の必要性を議論し、関連する情報発信も強化する方針だ。現在農水省では「米の将来価格に関する実務者勉強会」が行われ、農政調査委員会も「農産物市場問題研究会」でコメを中心とする農産佛市場の有益性が議論されている。「官」の農水省勉強会、「民」の農産物市場研に加えて「取引所」の立場で生産者サイドの声などを取りまとめに反映させることで、コメ先物復活に向け大きな推進力となりそうだ。初会合は10月中の開催で調整している。


 現在、農産物市場問題研究会は第3回会合まで開催されているが、今後の研究会日程は以下のとおりである。すべて会場は日本農業研究所ビル(千代田区紀尾井町3-29)で、時間は14時から16時まで、参加費は2,000円(資料代)となっている。
問い合わせ先は農政調査委員会(TEL:03-5213-4330、Eメール:info@apcagri.or.jp)へ。

【第4回(9月26日)】
「国際穀物市場の現状(アメリカ中心)と価格形成、市場の機能」、三石誠司氏(宮城大教授)
【第5回(10月12日)】
「国際穀物取引からみた米先物取引」(仮)、近藤秀衛氏(前伊藤忠食糧社長・顧問)、服部秀城氏(ニップン海外事業本部参与)
【第6回(10月23日)】
「米の市場とくに先物市場の必要性と大連の先物市場について」、山口亮子氏(ジャーナリスト)、坪谷利之氏(木津みずほ生産組合代表)
【第7回(11月27日)】
「演題未定(総括提言)」、林康史氏(立正大教授)、渡辺好明氏(新潟食料農業大学学長)

 第7回目の会合で、渡辺氏および林氏がコメの市場必要性を訴え、12月中にも取りまとめを公表する。
 一方、農水省の実務者勉強会は8月2日の初会合から1カ月半空いているが、2回目の会合は10月中に開催するべく調整を図っている模様だ。その後数回の会合を経て、2024年4月を目途に報告書をまとめる予定となっている。
 堂島取の有識者会議は現在委員の人選を行っている段階で、同所が株式会社化に移行するきっかけとなった経営改革協議会のメンバーから議長が選任される見通しだ。
 商品先物業界からは大手業者および業界団体のトップ、また農水省OBから1~2人、農業関係団体からも数人が委員メンバーに加わるものとみられる。さらに今後は主要生産地域を回り、コメ先物経験者、大規模生産者などにコメ先物復活に向け協力を依頼するべく調整を進めている。

(Futures Tribune 2023年9月19日発行・第3240号掲載)
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