コメ先物復活目指す、堂島取・重光会長が明言
現物市場とも連携、生産者や流通業者に有益な市場を

2023-08-23

堂島取引所 重光達雄会長

 堂島取引所の重光達雄会長(写真)は17日、コメ先物市場の復活に向けた動きに取り組む方針を明らかにした。千葉県穀類連絡協議会が主催する「令和5年新米取引会・研修会」における冒頭のあいさつで語ったもので、集まった中小のコメ卸業者に向け「先物の聖地として日本のコメ価格を世界に発信し、大きな市場に育て上げたい」などと構想を述べた。
 コメ先物は2021年8月、堂島取による本上場申請が不認可となったが、コメの指標価格がなくなった弊害を指摘する声は一部生産農家から上がっている。
 海外の主要取引所などからも「小麦、トウモロコシ、大豆は大きな先物市場があるのに、どうしてコメの価格を日本が発信しないのか」と疑問を呈する声が堂島取に寄せられているという。
 今月2日には農水省が「米の将来価格に関する実務者勉強会」を開催し、9月には農林部会からの申し入れに沿って流通経済研究所がコメの現物市場を開設する。こうした流れに沿って重光氏は「現物市場とも連携しながら進めたい」と話しており、生産農家や流通業者にとって有益な先物市場となるよう、検討を進める考えだ。

(Futures Tribune 2023年8月22日発行・第3234号掲載)
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