JPX第1四半期決算、現物取引増
営業利益40%増の250億円に

商品デリバ収益は4.2%増の3.6億円

2023-08-02

 日本取引所グループ(JPX)は28日、2024年3月期における第1四半期決算(4月1日~6月30日)の概要を発表した。営業収益は369億5,300万円(前年同期比+10.1%)、本業での儲けを示す営業利益は250億3,800万円(同+40.8%)と大幅に増加し、親会社の所有者に帰属する四半期利益は177億3,600万円(同+46.7%)となった。
 このうち取引料に関する収益は126億600万円(同+15.2%)で、商品別にみると現物が92億8,000万円(同+17.5%)、金融デリバティブが29億5,900万円(同+9.8%)、コモディティデリバティブは3億6,600万円(同+4.2%)と好調に推移した。


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 JPXの第1四半期決算は営業収益において、株券などの現物取引が増加したことを受け、取引関連収益が前年同期比12.2%増の151億1,800万円と、金額ベースで16億3,800万円増加した。
 金額ベースの内訳は株券などの現物取引が13億5,300万円増、日経平均株価先物などの金融デリバティブが2億6,500万円増、商品先物のコモディティデリバティブが1,900万円増であった。
 このほか清算関連収益も同9.6%増の79億7,400万円となり、収益増に貢献した。
 また、上場会社による資金調達額の増加により上場関連収益が同10.4%増の36億2,700万円、金額ベースにして3億4,000万円の増収となった。さらにTOPIXなどの指数ライセンス収入や相場情報料収入も増加し、同6.2%増の71億4,200万円、金額ベースで4億1,800万円増えた。
 一方で営業費用は、171億3,500万円と前年同期より4.5%増、7億3,700万円膨らんだ。これはシステム維持・運営費が8億6,000万円ほど増加したことが影響したもので、システム開発受託や為替など外部要因によるもの。一方、旧来の清算システムが減価償却を終え、関連費用が1億1,000万円ほど減少した。
 なお今年度通期の業績予想は、営業収益1,345億円、当期利益(親会社の所有者帰属分)490億円などとしている。

(Futures Tribune 2023年8月1日発行・第3231号掲載)
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