日経225マイクロ先物など6種新商品大阪取、小口化ニーズの高まりに対応
日経225mini、日経225オプションを10分の1に

2023-06-06

 大阪取引所は5月29日、「日経225マイクロ先物」、「日経225ミニオプション」、「無担保コールオーバーナイト物レート(TONA)3カ月金利先物」など6種の新商品を上場し取引を開始した。個人投資家を中心とする投資の小口化ニーズに対応するもので、従来の日経225mini、日経225オプションの取引想定元本を10分の1に小口化した。上記3商品のほか、「S&P/JPX 500 ESGスコア・ティルト指数先物」、「FTSE JPXネットゼロ・ジャパン500指数先物」、「日経平均気候変動1.5℃目標指数先物」も、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)の観点から新規に追加した。

商品当月取引高1日平均
日経225マイクロ先物35,61811,873
日経225ミニオプション117,55239,184
TONA3カ月金利先物8,8342,945
日経平均気候変動1.5℃目標指数先物0
S&P/JPX 500 ESGスコア・ティルト指数先物0
FTSE JPXネットゼロ・ジャパン500指数先物0

 上場初日となった29日の取引状況をみると、「日経225マイクロ先物」は4,757枚、取引金額は14億9,100万円となった。日経225miniが130万枚、4兆787億円なので静かなスタートではあるが、3月にパシフィコ横浜ノースで開催された投資戦略フェアEXPO2023では大阪取の親会社である日本取引所(JPX)グループが設置した新商品紹介ブースには多数の個人投資家が詰めかけていた。大半の投資家が熱心に担当者の話を聞いている様子が伺えたことから、小口化商品への関心は非常に高いと言えそうだ。
 「日経225ミニオプション」は1万9,049枚(プット1万1,243枚、コール7,806枚)で、取引金額は1億8,700万円だった。やはり本体の日経225オプション15万枚、336億円の水準にはまだ遠いが、これも今後のプロモーション次第で変わってくるだろう。
 「TONA3か月金利先物」は2,782枚、取引金額は695億6,900万円だった。TONAは日銀が公表する『「コール市場関連統計」の解説』に基づき算出する無担保コールオーバーナイト物取引に係るコールレート(加重平均値)と定義される。2022年来、円金利への注目度は極めて増加しており、金利変動に対するリスクヘッジ商品として、注目が高まりそうだ。
 なお、この他の新商品3種については、29日の取引はなかった(上記表は5月29日から31日まで3日間の新商品取引枚数:提供JPX)。
 これら新商品の上場について、大阪取の横山隆介社長は以下のコメントを発表している(一部編集)。
 「近年、現物市場における投資の小口化を背景に、より細やかなリスク管理手段に対するニーズが高まってきている。そこで「日経225mini」、「日経225オプション」の取引単位を小口化し、取引想定元本を10分の1にした2商品を導入した。小口から大口の商品まで幅広い品揃えが整うことになるので、様々な目的をもった投資家に先物、オプションを利用してもらい、市場の更なる活性化が図られることを期待している」

(Futures Tribune 2023年5月30日発行・第3218号掲載)
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