金融取好調決算、ドル円取引2.6倍の活況が他商品に波及

2023-05-19
木下信行社長

<東京金融取引所:木下信行社長>

  期間中のドル円相場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の相次ぐ利上げや日本の為替介入などにより活発化し、関連商品の取引増加に繋がった。取引所FXの米ドル円は1,688万7,510枚(前年比164.9%増)とFX全体の45%を占めた。
 営業収益46億1,900万円の内訳は、定率参加料が39億8,500万円と大勢を占め、ほか情報提供料が2億6,400万円、システム設備関係収入が1億7,000万円などとなっている。これに対し営業費用は33億1,500万円で、13億400万円の営業利益となった。
 今年度、リテール事業に対しては①CFDの拡充、②マーケットメイクの強化、③新たな取引ニーズの掘り起こし、④FXクリアリングの取引拡大(利用促進)―を柱に取り組む。CFDは米国の代表的な小型株指数であるラッセル2000、銀、白金のCFDを9月に上場する予定で、さらに天然ガスETFの価格や海外排出量市場の指数に係るCFDなども検討する。マーケットメイクの強化策は主要なプレーヤーが大手金融機関からプログラムによる超高速取引(HFT)にシフトしている現状を踏まえ、「フェアな取引環境を強調する」(木下社長)ために注力する。
 ホールセール事業についてはTONA先物の流動性向上を中心に、中長期金利商品や排出量関連取引も検討対象とする。
 システムはホールセールとリテールの一元化やクラウド活用の推進も視野に、2024年3月までに機能強化とコスト削減の両立を目指す。

【2022年度(22年4月~23年3月)の取引数量】
商品取引数量(枚)1日平均(枚)前年度比
金利先物等取引合計3,1272516.9%
取引所FX(くりっく365)合計37,586,918144,565137.7%
取引所CFD(くりっく株365)合計71,511,873448,226147.3%
FXクリアリング合計91,523,624350,665148.1%
全商品合計200,625,542943,707145.7%
※取引数量は片道ベース

(Futures Tribune 2023年5月16日発行・第3215号掲載)
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