堂島金先物開設前夜、早期黒字化が成否のカギに
2023-03-24堂島取引所の貴金属市場が27日に開設となる。金、銀、白金の3商品が同時に上場されるが、注目はやはり金先物だろう。大阪取引所の金標準先物は20日、24年2月限(中心限月)の終値が1グラム当り8,391円を付け、終値の過去最高を記録した。さらに同日15時3分には、過去最高値となる8,411円を記録した。金標準は東京金取引所の時代から数えて41年が経過する。その後身に取引や限日取引、金先物オプションも追加された。堂島金の趨勢は筆頭株主でもあるSBIグループにかかっていると言えるが、どれだけ証券の客を呼び込めるか、商品先物業界とどう折り合いを付けるかに注目が集まる。
堂島取の金は受渡しを伴わない現金決済先物取引で、商品設計としては大阪取のゴールドスポット(金限日先物)に近い。ただ、取引単位が10gでゴールドスポットの10分の1というマイクロミニ商品となる。
堂島取はSBI証券の顧客をメインターゲットに捉えているが、どれだけ出来高に関与するかは完全な未知数だ。それでも900万口座を超える同社の、例え1%でも参加すれば9万口座となり、現状の国内商品先物業界における倍以上の規模が新規顧客となるが、収益が上がる状態にまでもっていくのは、決して簡単ではないとの見方が多い。
目下、堂島取は2022年4月以降出来高がない状態が続いているが、裏を返せばこの間、取引に関する費用は発生しなかった。これが貴金属市場の開設でシステムを本格稼働させた場合、当然これらに関する費用負担が生じてくる。当初はどうしても持ち出しが増える公算が高く、どれだけ早期に金で黒字化できるかが勝負となる。
東京金取の場合、主務省であった通産省(現・経産省)が金を将来の主力商品として、箱入娘のように大事に育成する方針を掲げていた。また、40年前はシステム費用がかからなかったことも大きかったと言えるだろう。
大阪取引所 | 堂島取引所 | |||
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金標準先物 | 金ミニ先物 | 金限日先物 | 金 | |
取引種類 | 現物先物取引 | 限月現金決済先物取引 | 限月現金決済先物取引 | 限月現金決済先物取引 |
取引対象 | 純度99.99%以上の金地金 | 金標準先物の価格 | 純度99.99%以上の金地金 | 純度99.5%以上の金地金 |
取引単位 | 1,000グラム(1kg) | 100グラム | 100グラム | 10グラム |
呼値の単位 | 1グラムにつき1円 (1取引単位1,000円) | 1グラムにつき50銭 (1取引単位50円) | 1グラムにつき1円 (1取引単位100円) | 1グラムにつき10銭 (1取引単位1円) |
受渡単位 | 1,000グラム(1kg) | − | − | − |
取引開始日 | 1982年3月23日 | 2007年7月17日 | 2015年5月7日 | 2023年3月27日 |
(Futures Tribune 2023年3月21日発行・第3204号掲載)
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