膨大な東証株式売買注文のデータ加工サービスを開始

2023-01-25

 日本取引所グループ(JPX)の子会社でシンクタンクのJPX総研は25日、三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)と、株式売買注文のヒストリカル情報である「FLEX Fullデータ」を顧客のニーズに応じて加工し販売する「株式売買注文データ加工サービス」を開始すると発表した。
 FLEX Fullデータは東京証券取引所の株式市場において、リアルタイムで提供している相場情報を日々蓄積し、JPX総研がヒストリカル情報として提供しているデータセットのこと。
 株式の注文・約定の履歴を最も細かく分析できるデータであり、取引時間内の価格形成や流動性(マーケットマイクロストラクチャー)の分析、取引コストの評価のため機関投資家などが利用している。
 分析においては、板情報を再現した上で必要な情報を抽出したり、加工したりするなどの下処理が必要となり、大規模な分析を行うには多大な計算リソースが必要だが、新サービスではMTECがビッドアスクスプレッド(最も低い売り注文価格と最も高い買い注文価格の差)をはじめとする、マーケットマイクロストラクチャーの研究においてよく利用される情報へFLEX Fullデータを加工し、CSV形式に変換して提供する。
 これによりデータ分析への負荷が大幅に減少する。サービスの詳細は日本取引所グループのホームページ(ヒストリカル情報)へ。加工メニューにより料金は異なるが、3か月分のデータで概ね45万円程度だという。

(Futures Tribune 2023年1月31日発行・第3194号掲載)
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