幻の救世主・商品ファンド物語【6】
商品ファンドは商社主導、ファンド業協会の設立
2023-07-26写真:当時のフューチャーズトリビューン記事(1991年4月30日)
1991年(平成3)4月25日、東京大手町にある三井物産ビルの24階第2会議室で「日本商品ファンド業協会」の設立総会が開かれた。オリックス社長の宮内義彦氏など計11人が設立発起人となった。以下社名及び肩書を列挙すると、三井物産社長、三菱商事社長、伊藤忠商事社長、日商岩井社長、トーメン社長、住商リース社長、日本信販社長、オリエントコーポレーション社長、オリックス社長室部長、公認会計士―という顔ぶれだった。大手商社は軒並み名を連ねたが、そこに商品取引員の名はなかった。
当時、商品取引員は商社が組成したファンドの販売を手掛けている社もあったが、商品ファンドの組成はどこも行っていなかった。
これに対し、業界からは「ファンドを扱うとは、その設定・管理・運用・販売ができること」との認識があり、代理販売のみで主力業務に成長させるのは極めて困難との見方が大勢を占めていた。
協会は通産省の肝いりで作られたもので、初代会長となった宮内氏に対しても通産省が直接要請した。どれだけ通産省が商品ファンドに期待をかけていたかがわかる。
(以下、次号へ続く)
(Futures Tribune 2023年7月18日発行・第3228号掲載)
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