金融取57%減益で営業利益5.5億円
ドル円取引半減でFX全体も3割減

2024-05-30

東京金融取引所 廣田拓夫社長

 東京金融取引所は23日、2024年(令和6)3月期(=2023年度:2023年4月1日~2024年3月31日)における決算概要を発表した。それによると営業収益は40億3,400万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は5億5,800万円(同57.2%減)、経常利益は5億6,000万円(同58.1%減)、当期純利益は4億6,000万円(同62.5%減)と大幅に減少した。22年度に1,688万枚を記録したドル円取引数量が23年度には881万枚とほぼ半減し、取引所FX「くりっく365」全体が2,634万枚と30%減少したことが大きく影響した。


 営業収益40億3,400万円の内訳は、定率参加料が33億8,800万円と大勢を占め、ほか情報提供料が2億7,300万円、システム設備関係収入が1億8,200万円などとなっている。これに対し営業費用は34億7,600万円で、5億5,800万円の営業利益となった。
 同日は今年度(2024年度)の業務計画を公表した。
 今年度、リテール事業に対しては①CFDの拡充、②FXの拡充、③新たな取引ニーズの掘り起こし、④マーケットメイクの強化、⑤FXクリアリングの取引拡大、⑥異業種の事業者との連携―を柱に取り組む。CFDでは9月、新商品(日経225マイクロ)を上場し、FXでも25年1月に新通貨ペア(ハンガリーフォリント、チェココルナ、中国オフショア人民元)を上場する。
 ホールセール事業についてはTONA先物の流動性向上を中心に、新商品として中長期金利商品などを検討する。
 次期取引システムは、コスト削減を視野に入れながら25年3月に開発方法を決定する。
 就任後初の記者会見に臨んだ廣田拓夫社長は、取引所を取り巻く経営環境を考慮しつつ、日本の経済状況に対し「バブル崩壊以来四半世紀にわたり低迷してきた日本経済にとって歴史的な転換点になるのではないか」との見解を述べた。

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東京金融取引所 2024年度業務計画
(Futures Tribune 2024年5月28日発行・第3290号掲載)
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