家計現金・預金1,127兆円、いかに投資につなげるか

2024-06-07

 「貯蓄から投資へ」のスローガンが叫ばれて長い。小泉純一郎首相の頃から言われているから、2000 年代初頭あたりからだろうか。だがもとを辿れば戦後、商品会社と証券会社が鎧橋を挟んで「株屋」だ「豆屋」だと馬鹿にし合っていた当時から、少なくとも証券会社は銀行と肩を並べる存在になりたいと願い、配当に係る税金の軽減交渉を規制当局と続けるなど、具体的な行動を起こしていたようだ。 曙光が差したのは昭和37年、田中角栄が大蔵大臣に就任した時で、角栄は「証券と銀行は車の両輪」と経済成長の資金供給手段として証券を重視し、関係者は喝采した。だがこのムーブメントは40年の山一證券破綻で冷や水を浴びせられ、その後の石油ショックでとどめを刺された。つまり「貯蓄から投資へ」のスローガンは、構造的に「銀行から証券へ」の焼き直しと見ることもできる。
 2023年3月末の家計における金融資産残高は2,043兆円に達した。内訳は現金・預金が54.2%、保険・年金・定型保証が26.2%、株式などが11.0%、投資信託4.4%などとなっている。現金・預金1,127兆円をさらに細かく見ると、流動性預金が651兆円、定期性預金が360兆円、現金が109兆円となっている。2016年の家計金融資産は1,700兆円なので、7年間で300兆円増えたことになる。これをどうやって投資につなげていくかが重要だ。

(Futures Tribune 2024年6月4日発行・第3291号掲載)
これでいいのか!Futures Tribune's viewに戻る