新規上場商品のヒント
2023-10-04パンジー(横浜で10月から見頃になる花)
25年前の1998年10月1日、横浜商品取引所が発足した。横浜生絲取引所と前橋乾繭取引所が合併したもので、生絲も乾繭も日本の近代化に大きく貢献した商品ではあるが、すでに産業のメインルートからは外れ、取引所の取引量も減っていた。
そんな両取引所が生き残りをかけて合併し、最初に検討した新商品が花卉(かき=花の咲く草、草花)と野菜であった。花卉については横浜の地場産業で、横浜には今でも花を直売している生産者が多い。JA横浜によると市内15区で42の直売所があるという(2022年5月時点)。
花卉は生絲取が合併前の97年6月に調査研究委員会を設置し、リスクヘッジ手段や取引の基本要綱例などを記載し「花卉産業の発展と花卉先物市場」と題したA4版9㌻のパンフレットを作成し関係機関に配布している。
これをもとに生産・卸売団体、経済連、卸売業者(18団体および10社)から意見聴取したところ、積極的な賛成は少なかったもののある程度の理解は得られたとしている。その後花卉先物に関する本格調査を三和総研に委託し、取引所内に検討委員会を設置した。
結果的に花卉先物は試験上場に至らず、横浜取も2006年4月に東京穀物商品取引所へ吸収された。だが、過去に検討した商品を今改めて検討してみると、新商品へのヒントが見つかるかもしれない。
(Futures Tribune 2023年4月19日発行・第3210号掲載)
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