FTX破綻で浮き上がるグローバル金融業のマイナス面
2022-11-22 暗号資産取引所を運営する大手業者FTXトレーディングが経営破綻した影響は、まだまだ余波が広がりそうだ。同社は米国時間の11日、米連邦破産法11条の適用を申請した。これは日本でいう民事再生法に当たり、同社の破綻を機に暗号資産から急激に資金の引き揚げが促進するとの見方も出ている。
今回、債権者は10万人以上に上り、負債も数兆円規模に達する可能性が指摘されており、暗号資産関連では過去最大レベルの破綻となった。
FTXはバハマに本社を置くが、日本でも「FTXジャパン」を東京都千代田区に設立し事業展開していた。同社では暗号資産についてビットコインなど14種を取り扱っていたが、顧客の資産については全額分離保管していたと説明している。その金額は10日時点で現金・預金含め200億円近くに上るという。
ただ、それが事実でも日本の顧客が預けた資産が全額戻るかは不透明だ。理由は米連邦破産法の申請においては日本法人も対象となるためで、今回の破綻劇はグローバルな金融業のマイナス面が浮き彫りになった側面がある。
今から15年前の2007年11月、金融庁は外国為替証拠金取引(FX)業者約120社に対し顧客資産の分離保管や財務の健全性などを点検する一斉調査を実施した。おそらく暗号資産業者も今後このような流れを辿り、監視・監督が一層強化されるだろう。
米連邦破産法第11条(チャプタ―イレブン):日本の民事再生法に適応する再建型の倒産法制度で企業の再建を目的としたもの
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(Futures Tribune 2022年11月15日発行・第3180号掲載)
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