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SBI北尾社長、堂島取で「排出権取引をやりたい」

2022-11-22
SBIホールディングス社長:北尾吉孝

 SBIホールディングスの北尾吉孝社長は14日、同社の2023年3月期中間決算説明会において、大口出資先の堂島取引所で「排出権取引をやりたい」との意欲を示した。これは同社の地域経済活性化に向けたビジネスに関連したもので、二酸化炭素(CO2)の排出権を都市部と地方で取引可能とするなどの構想を堂島の新商品につなげていく考えだ。さらに北尾氏は堂島取について「世界に伍する総合取引所にしていきたい」との方針を述べ、今後も堂島取への支援継続を改めて示した。コメ先物が廃止となり現在取引ゼロの状態が続く堂島取だが、SBIのバックアップに未来を委ねる格好だ。


上半期収益、過去最高の4,702億円に

 SBIホールディングスの2023年3月期上半期決算(カッコ内は前年同期比、▲はマイナス、IFRS)は、営業収益が4,702億3,400万円(+40.7%)となり、上半期収益で過去最高を記録した。これは主力である金融サービス業の収益が4,031億円(+81.3%)と大幅に増加したことが寄与した。
 ただし、好調だった金融サービス業と対照的に、投資事業不調に推移した。具体的にはベトナム上場銘柄であるTPバンク等の一部海外上場銘柄の株価下落により上半期累計で約314億円の公正価値評価損を計上したほか、暗号資産についても市場の低迷や一部取引先の破綻などが影響し、暗号資産事業の上半期累計損失(税引き前)が約128億円となったことで、税引き前利益は526億8,700万円(▲51.8%)と半減した。

 これらにより四半期利益は379億9,300万円(▲57.3%)となった。
金融サービス事業の中核であるSBI証券の上半期決算をみると、株式市場が不安定に推移したことで営業収益が808億3,900万円(▲1.4%)、営業利益は747億7,800万円(▲3.2%)、経常利益は252億5,400万円(▲8.8%)、親会社株主に帰属する当期利益は172億8,400万円(▲7.5%)となった。
 ただ、国内の主要証券会社と上半期の営業利益を比較すると、

  • SBI証券 263億4,700億円(▲4.5%)
  • 野村證券 199億4,600億円(▲56.8%)
  • 大和証券 ▲29億6,400万円(前年同期は▲484億6,100万円)
  • SMBC日興証券 ▲186億4,900万円(前年同期は▲565億2,700万円)

と、利益の大きさではSBIがトップに立っている。
 SBIグループと主要対面証券との口座数を比較すると、SBIグループ918万口座、野村535万口座、SMBC日興が379万口座と、ほぼSBIの独り勝ちといった状況だ。

(Futures Tribune 2022年11月15日発行・第3180号掲載)
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