東大でコメ現物・先物連携講義 一般学部生対象、JPXが支援

2024-07-18

 日本取引所グループ(JPX)は東京大学経済学部が一般学部生を対象に行う講義「産業事情」において、コメが主題となった10日の講義に現物市場・先物市場それぞれの講師を派遣した。現物市場は2023年10月に開設したみらい米市場の折笠俊輔社長、先物市場については元農水事務次官で2011年8月にコメ先物を試験上場した東京穀物商品取引所で当時の社長を務めた渡辺好明・新潟食料農業大学名誉学長が講師となった。当日はJPX傘下である東京商品取引所(TOCOM)の石崎隆社長が冒頭に挨拶し、折笠氏、渡辺氏がともに45分ずつ講演した(講演の詳細内容は別記事で掲載)


 東大経済学部では、各産業界の現状や課題を学ぶため、当該業界の実務家を講師に招き「産業事情」と題した講義を行っている。
 2024 年度の題目は前年に続く形で「産業事情(エネルギー市場/コモディティ市場)」となっており、エネルギー市場(電力、LNG、石油、排出権など)についてより実践的な講義とするため、JPXでは講師派遣などで支援を続けている。
 講義は前期13コマで、商品市場の機能・役割について学術的な切り口から普及・啓発を図り、かつ将来の人材育成の観点で商品市場へ関心が高まるよう中長期的な視点で支援を続けている。
 これまで商品先物業界では 啓蒙活動の一環として、大学 の寄付講座に協力を続けてきたが、東大の産業事情は一般の授業で、商品先物業界においては初めて東大の一般学部生を対象にした講義となった。
 コメ先物は堂島取引所が6月に本上場が認可となり8月の取引開始に向け準備を進めている。今回コメ先物を対象とした講義の支援に際し、石崎社長にJPXもコメ先物の上場を視野に入れているのかを聞いたところ、「今のところその予定はない」と否定した。

(Futures Tribune 2024年7月12日発行・第3299号掲載)
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