金融取、信用リスク取引事業の子会社設立

2024-07-12

 東京金融取引所(TFX)は6月26日、信用リスク取引事業を行うための子会社「株式会社 信用リスク管理基盤」(英文表記:Credit Risk Management Platform Inc.)を設立した。金融機関同士で行われる貸出債権譲渡取引など、信用リスク取引に関する流動性向上を目的としたもので、10月頃から各金融機関へでも紹介するなどし2025年4月にサービス提供を開始する予定。新会社の資本金は4億円でTFXの完全子会社となる。事務所はTFXオフィス内(東京都千代田区丸の内1-8-2)に置き、少人数で事業を展開する。役員構成は「まだ公表していない」(新事業開発室)としている。


 新会社の事業内容は信用リスク取引プラットフォームの企画、開発及び運用で、概要は以下のとおり。

(1)対応金融機関:預金取扱金融機関及び政府系金融機
(2)主な機能

  • ①文書共有機能:取引の交渉段階に応じ金融機関間で各種情報を共有する
  • ②貸出債権売買機能:金融機関間で対象取引に関する交渉を行い取引する
  • ③掲示板機能:・購入希望や売却希望を指定した先に能動的にアピールする
  • ④電子契約機能:・金融機関間で取引に係る契約を電子的に締結する
  • ⑤債権管理機能:・貸出債権に関する情報を登録し、期日管理、利息計算・管理を行う(オプション機能)

対象とする取引は①貸出債権譲渡取引、②ローン・パーティシペーション―としている。また③シンジケートローンの組成、④信託受益権の勧誘、⑤LBO等におけるSPCの劣後債等の勧誘―についても現在検討している。
プラットフォームにおいては、金融機関同士が貸出債権取引等に関する情報を双方向に効率的なやり取りが可能となることで、流動性向上につながると見込んでいる。また取引は取引所を通じたものではなく、現状の慣習に沿った相対取引となるが、プラットフォーム全体のイメージは下図のとおり。
(出所:TFXプレスリリースより)

(Futures Tribune 2024年7月9日発行・第3298号掲載)
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